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桜前線の北上を待つうちに、季節も春から初夏へと移り、さまざまな花が次々に出番を迎えました。中でも、ひときわ多くの声が寄せられたのが「薔薇を描きたい」という希望。こうして、5月のモチーフは薔薇に決まりました。やはり深紅の薔薇には、絵筆を取る者の心をかき立てる魅力があります。幾重にも重なる花びらは重厚な存在感を放ち、紙面からは甘くほのかに香る気配さえ漂ってくるようです。
絵手紙は下書きをしないのが基本。そのため、見たままを描いているつもりでも、バランスが崩れたり、形がいびつになったりします。そんなときは、ためらわずに省略したり、時には思いきって加筆することもあります。大切なのは、自分が「こう描きたい」と思った姿に近づけることです。
今回は先生のひと言が心に残りました。「たいていの人は花を丁寧に描くけれど、葉っぱは手を抜いてしまう。結果として、絵全体の魅力が損なわれるんです」なるほど、言われてみればその通り。この日はとことん「葉を描く」練習に取り組みました。ひときわ輝く主役も、名脇役の支えがあってこそ。その関係は、花と葉にもきっと当てはまるのだと思います。
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