
現在、定期的(月2回)に開催させていただいている無料相談会に来られた方々の中から、自宅処分に至った相談事案を2件紹介します。
まず1件目は、現在進行中にてお手伝いさせていただいているケースです。相談者のお母様は昨年まで自宅にお住まいでしたが、身体が不自由となり介護認定を受けて近くの施設に入所されることになりました。子供たちは別々に住まいがありますので、お母様の今後必要となる資金を用意するために、自宅を処分されることになりました。
ご実家を見せていただいたところ多少ゴミ屋敷化をしていたので、売る前にゴミ処理や家財処分などの他に、おばあ様が住まわれていた小さな離れ家の解体と庭木の伐採をし、見た目をよくして売りやすくなるよう専門家のアドバイスに基づき、売却の準備が進められています。
お母様の体が不自由になって以降、片付けや処分しきれなくなった荷物などが散乱し、通常の片付けでは済まなくなってしまったようです。駅から近い高級住宅街なので、多少のコストをかけても処分(売却)可能な物件と判断されました。
2件目は数年前になりますが、娘さんが相談会に来られたお客様で、高齢のご両親共に介護ホームに入居したいのでご実家を処分して費用を捻出されたいとのことでした。相談者は横浜にお住まいですがご実家は埼玉で、お母様に軽度の認知症があるため、ホームでのサポートが必要となるケースでした。ご両親の共有名義の物件でしたので、司法書士による弁識能力の判定を受けました。
通常、認知症の方の不動産を売却する場合は、司法書士が意思確認や本人確認を行い、必要に応じて成年後見制度を利用することになりますが、認知症の症状が軽度で判断能力があると判断された場合は、売却可能と判断してもらえる場合があります。
単純に不動産の売却をするのであれば、不動産屋にお願いすればよいことではありますが、これらのケースのように、売却前の話し合いと道筋のつけ方、必要な処理や処分と整理、司法書士等、必要な第三者の介在など、売却前のプロセスが重要となるのが、高齢者、あるいは相続絡みの不動産売却ともいえます。
相続でのもめない遺産分割の仕方や、老後資金の為の自宅売却、借地借家の相続や売却などのご相談もお受けしておりますので、お気軽にご相談ください。