不動産を相続する場合や、生前贈与をする場合に土地などの価格は時価により評価することとされています。しかし、私たちは自分で時価を把握することは容易ではありません。
そこで、国税庁は毎年、全国の民有地について、申告の便宜及び課税の公平を図る観点から、土地などの評価額の基準となる価格(路線価)を定めて公開しています。この路線価は、1月1日を評価時点として、1年間の地価変動などを考慮して算出され、毎年その年の7月1日に発表されることとなっています。
東京国税庁が1日に公表した神奈川県内の今年の路線価は、前年から3.6%上昇となりました。2010年以降過去最大の上昇率でした。原因はコロナ禍からの脱却や、長期間にわたる低金利政策で不動産需要が旺盛なこと、インバウンドの影響などが考えられます。
神奈川県内の最高額は「横浜駅西口バスターミナル前通り」で1平方メートル当たり1,696万円、わかりやすく表現すると畳2枚(1坪)で5,600万円という驚くべき数字で住宅が1件購入できるぐらいの価格でした。
上昇率の最高は、相鉄線二俣川駅前で15.9%。商業施設の開店や、相鉄・東急新横浜線の開業で都心への利便性が向上したことも影響したものと思われます。
県内においては今後も、経済活動が活発化する中で再開発や投資需要が上昇するものと思われます。
※路線価は国税庁のホームページで閲覧できます。