日本気象協会推進「熱中症ゼロへ」プロジェクトより抜粋
気象庁はこの6月から8月にかけての高温予測を「熱帯の大気や海流の動きからこの夏は高温が予測され、太平洋高気圧が極端に強まったりすると、顕著な高温になる可能性がある」と発表しました。
熱中症による搬送者数は毎年5~9月が最も多いとのデータがあります。
熱中症を予防するためには熱中症発生のメカニズムを理解することが大切です。
(熱中症のメカニズム)
人は体を動かすと、体内で熱が作られ体温が上昇します。体温が上がったときは、汗をかくことや、体の表面から空気中に熱を逃がすことで体温を調節しています。平常時は、体温を調節する機能がうまく行われるため、人の体温は36度から37度くらいを保っています。
しかし、気温や湿度が高い環境で激しい運動を行うと、体内の熱をうまく外に逃がすことができなくなります。すると体がどんどん熱くなり、汗をかいて体内の水分や塩分が減少していきます。それにより、体内の血液の流れが悪くなり、体の表面から空気中に放熱できなくなり、汗もかけなくなります。このように体温の調整がうまくできなくなると、体の中に熱がたまり体温が上昇します。脳を含む重要な臓器は、37ド以下で一番うまく機能し、体温が高くなると機能しにくくなります。また体から水分が減少すると、筋肉や脳、肝臓や腎臓の機能が低下したりします。こうして体の調子が悪くなり、熱中症を引き起こされるのです。
熱中症の発生には体調や健康状態が影響します。体調が弱っているときは、熱中症の危険は高まります。また、体温調整機能が十分発達していない子供や、温度感覚が鈍くなってくる高齢者なども熱中症になりやすいので注意が必要です。
高齢者、乳幼児、体の不自由な方、肥満の方、普段運動をしていない方、屋外で働く方、暑さに慣れていない方、病気の方、体調の悪い方などは、特に高温多湿な環境下では室内にいても熱中症の危険が高くなることがあります。体の中に熱をためないように、気温や湿度を確認し、衣服を工夫して暑さ対策をしましょう。
また、バランスの良い食事、普段より多めの水分や塩分補給、暑さを我慢せず、エアコンを使って室内の温度調整をし、十分な睡眠をとるなど、暑さに負けない対応体づくりを心掛けることも大切です。