藤沢の貸農園で家庭菜園同好会を始めて5年、あらためて気づいたことがあります。
女性の私は、生い茂った草むらからミョウガを掘り出したり、土から少し赤い顔を出しただけのラディッシュを目ざとく見つけます。ところが男性は、耕す・支柱を立てるなどの力仕事は難なくこなす一方、収穫や採れたて野菜の調理となると途端に消極的になるのです。男女で達成感の感じ方に違いがあるのでしょうが、もっと収穫や調理を楽しんでもらいたい・・・そう考えて始めたのが「男の調理実習」でした。
献立は、まずは簡単で豪快にできるものを選び、雰囲気は“収穫祭や“キッチンスタジアム”のようにイベント感を重視しました。レシピには料理名と食材だけを記し、「塩小さじ一杯」といった細かな指示は一切書きません。今は便利なつゆの素さえあれば、それなりに美味しく作れる時代ですから。




最初は「失敗するかも」と不安がっていた人も、3回目ともなると自分なりの工夫でリカバリーできるようになりました。こうして「男の調理実習」は大成功を収め、次回を心待ちにする人まで出てきたのです。
料理を「義務」ではなく「遊び」として楽しめるようになったことで、この調理実習はシニア男性にとって、生活力・健康・趣味・社会参加を兼ね備えた場として、ますます意義深いものになっていきそうです。