~頭に知の栄養を、目に美の栄養を~
先日TVで、美術鑑賞は疲労とストレスが低下し、活力が向上する顕著な結果が表れるという研究結果も報じられていました。暑さが本格化したこの時期、東京上野までちょっと足を延ばして涼しい博物館美術館を訪れてみませんか。
今日ご紹介するのは国立科学博物館と国立西洋美術館、きっと楽しく、豊かな気持ちになれます。電車賃はかかりますが、65歳以上ならなんと両方とも常設展が無料で入れます。無料?と聞いても決して侮ってはいけません、その内容の濃さはきっと驚かれることと思います。
● 国立科学博物館
東京都台東区上野公園7番20号
https://www.kahaku.go.jp/
JR上野駅公園口を出て上野の森の中、徒歩約5分。重厚な建物が表れます。国立科学博物館の紹介文によると、1877年に創立された日本で最も歴史ある博物館のひとつであり、自然史・科学技術史の両方を取り扱う「総合科学博物館」。館内は「日本館」と「地球館」の2つで構成。
【 見どころ 1 】日本列島の歴史と生物たちとの結びつきを体感できる「日本館」
「日本列島の素顔」「日本列島の生い立ち」「生き物たちの日本列島」「日本人と自然」「自然をみる技」の5
つのゾーンがあります。日本が大陸の縁から分裂し、列島として成立するまでの歴史や、長い歴史の中で日本
人と生物が送ってきた生活の様子などを見ることができます。
【 見どころ 2 】楽しく学べる「地球館」
3階の「大地を駆ける生命-力強く生きる哺乳類と鳥類をみる-」ゾーンには、さまざまなほ乳類や鳥類のほか、絶滅したと言われている二ホンオオカミなど、希少動物のはく製も多数展示されています。そのほか、2階とM2階には科学技術にフォーカスを当て「科学と技術の歩み-私たちは考え、手を使い、創ってきた-」「科学技術で地球を探る」「科学技術の偉人たち-日本の科学者・技術者-」といったコーナーで、例えば高柳博士のテレビ実験機や宇宙開発の実物など数多く展示されています。1階には「地球の多様な生き物たち-みんな、かかわりあって生きている-」「地球史ナビゲーター」といったゾーンがあります。各々60分や90分で回れる早見コースも紹介されていますが、気に入ったところに立ち止まりながら見ていくと3~4時間は欲しいものです。
● 国立西洋美術館
東京都台東区上野公園7番7号
https://www.nmwa.go.jp/jp/
知識で頭がいっぱいになったら、駅に向かう途中にある国立西洋美術館へ寄りましょう。今度はここで西洋の超一流の絵画群を眺め、目を肥やしましょう。東京文化会館の向かい側に位置し、建物はル・コルビジェ設計の世界遺産に指定されています。
戦前に松方幸次郎が私費で集めた約1万点にも上るいわゆる松方コレクション。その後大戦の戦火に焼けたり散逸や敵国財産として接収されてしまいます。その後、仏政府から日仏友好の印として約400点が返還されることになり、その展示のため1959年に建設されました。松方コレクションが核となってその後の収集も加わり、中世から20世紀初頭にかけての西洋絵画とロダン中心のフランス近代彫刻のコレクションは巨匠らの作品を体系的に網羅しておりその充実は世界からも高く評価されています。